Déjàvu デジャヴ
「宝物がまた増えた」
アイスのあたり棒を渡したら
上杉が嬉しそうに言った
「宝物?」
「コレ、アイスと交換しない
もったいなくて、かえれない」
「なんで?」
「だって、折原が当てたんだもん
キセキみたいじゃん!
…
え、なんで、笑うの?」
「私もまだ、かえてないから…
あの時のあたりの棒
上杉からもらった」
「ウソ!
なんか、嬉しい…
…
それから
オレの宝物…
体育祭のハチマキと…
…
あ!また笑った!」
「うん、嬉しくて…
…
私も
大切にしてるよ
青いハチマキ…
1ー3 上杉って書いてある」
「まだ持っててくれたんだ…
オレも嬉しい…
…
それから…
1番の宝物…
…
…
折原…」
ドキ…ドキドキ…
「そんな顔…すんな…
ドキドキするじゃん…」
どんな顔してるんだろう…私
恥ずかしくなる
目が合って…
「痛…!」
また頬をつねられた
上杉が笑った
「もぉ!」
私も笑った