Déjàvu デジャヴ

ベビーベッドの中に赤ちゃんがいた



小さい…


目を少し開けて

ムニャムニャしてる




「さわってもいい?」


「うん」




ほっぺをツンツンてしたら

こっちを見た気がした




小さい手に指を近付けたら

ギュッて握った




「小さくて、かわいい…」



「今月で5ヶ月

産まれた時、もっとちっこかった」



「ひーちゃん
ぼくとどっちがかわいい?」



「ん?どっちもかわいいよ
ナツくんはお兄ちゃんだから
かっこいいよ」


ナツくんが嬉しそうな顔をした




「折原、抱っこしてみる?」



「うん」




上杉がベッドから抱っこして

私の腕に渡した




「はい…」



フワって

優しい匂いがして



柔らかくて

温かくて



生きてるんだ…



この子は
命を授かって生まれてきたんだ



やっぱり

涙が出た





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