Déjàvu デジャヴ

「あ…
ひーちゃん、ないてる…
あかちゃんじゃないのに
へんなの…」




「折原、また約束やぶった

泣かないって約束したじゃん…」



「ひーちゃん

ハルがなかせたの?」



「ナツくん、ちがうよ…
ごめんね…
もぉ泣かないね…」



「うん
ハル、ひーちゃんに
いーこいーこしてあげて」



上杉の手が私の頭を優しく撫でた



それから
優しく抱きしめてくれた



私とフユくん、上杉



私たちの赤ちゃんだったら

こんな感じだったのかな…




「ハル、ギューしたの?」



「うん、したよ」



「なんで?」



「好きだからだよ」



「ぼくもひーちゃんと
ギューしたい!
すきだから!」



「ひーちゃんは、ダメなんだよ
ハルとギューしよ!」



「やだー、ひーちゃんがいい…」



「ダメなの!ひーちゃんは!」


上杉、嫉妬かな?



「ずるい!ハルとフーばっかり…」



「ナツくん、いいよ
4人でギューしよっか…」



「うん!」



上杉、私、ナツくん、フユくん



「4人家族みたいだね」



「ひーちゃん、いいにおいする!
だいすき!」



「ナツくん、かわいい…」



「ナツ、もぉ終わり!
ひーちゃんから離れて!」


上杉もかわいいよ

そんなにムキにならなくてもいいのに




「やだー!」



「あーほら…フユつぶれちゃうだろ!」



「いいの!」



「よくない!離れろ!」




ーー



え?



私の唇に

上杉の唇が軽く触れた



ドキ…



キス、だった…?


付き合ってから初めてだよね



ドキドキ…ドキドキ…




「ハル、ひーちゃんにチューしたの?」



「してないよ」


なんだ

やっぱり
キス、じゃないよね…



「したよ!ぼく、みたもん」



「ナツ、あとでお菓子買ってあげるから
誰にも言ったらダメだよ」


え…



「ぼくも、ひーちゃんとチューしたい」



「ダメ」



「なんで?ぼくもしたいー!」



「ナツ!ひーちゃん困ってるから
ひーちゃんから離れて」



上杉、ヤキモチかな…?

だったら少し嬉しいな



「ひーちゃん、わらってるよ」



「あー、もぉ…
ナツ、そんなとこ触んな!」



「やだー!やだー!
ひーちゃんがいい!」



「シー!

あ、ナツ、そろそろ昼寝の時間だよ
寝よっか…
フユも一緒に」



「うん、ひーちゃんとねる」



「ひーちゃんはダメ!」



「やだー!やだー!
ひーちゃんいっしょがいい!」






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