イジメ返し―新たな復讐―
愕然とした。目の前がぐらりと揺れ、足元から崩れそうになる。

「そんな……。嘘。なんで!?どうしてよ!?」

わたしはそれを床に叩きつけると、ネットのチャックを力任せに引っ張った。

ブチっという音がしてネットのチャックが壊れた。

床だって水浸しだ。でも、そんなことどうだってよかった。

あのスカートの中にはメモがある。先生の電話番号を記したメモが――!!

予想通り、スカートは洗濯機で洗われてしまっていた。

ポケットの中に手を突っ込み急いで取り出すと、メモは丸まり粉々になってしまっていた。

「うぅ……。なんで……どうして……?」

わたしは誰に問いかけているのか分からない言葉を発しながら涙を流した。

必死に丸まってしまったメモを剥がしたものの、番号など一字だって読み取れない。

わたしは白いその物体を握り締めたまま、その場にヘナヘナと座り込んだ。

全部、終わった。わたしの唯一の心のよりどころだった先生との縁が切れた。
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