イジメ返し―新たな復讐―
昼休み。わたしは真紀と一緒に屋上へやってきた。

「今日いい天気だねぇ。ピクニック日和だぁ」

にこにこと柔らかい笑みを浮かべた真紀にわたしの心も和む。

「そうだね」

そう答えてからふと真紀の手元に目をやる。

「ねぇ、真紀。今日もお昼食べないの?」

「うん。ダイエット中だから。今年中にあと5キロは痩せる予定」

ここ数か月、真紀はお昼ご飯を食べようとしない。

以前は購買でパンを買っていたのに。

ダイエットと言っているけれど、真紀は十分痩せているしダイエットなんてする必要なんてない。

「食べないと倒れちゃうよ?わたしのお弁当一緒に食べよう?」

「いいのいいの。あたしのことは気にしないで!てかもう6月かぁ。あと少しで夏休みだねぇ」

「真紀、それは気が早すぎるよ」

「ふふっ。ねぇねぇ、愛奈。夏休み、また一緒にお祭り行こうよ?」

「うん。いいよ」

「一緒に綿あめ食べて、りんご飴食べて、焼きそば食べて、チョコバナナ食べて……それから……」

「食べすぎじゃない?急に食べたらリバウンドしちゃうよ?」

「……だねっ?でもいいの。そのためにも今はダイエット頑張るんだ!」

目を見合わせて互いに笑い合う。
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