イジメ返し―新たな復讐―
エマちゃんは迷うことなくカスミちゃんの席へ向かうと、振り返ってこっちを見た。

「友達だもん、いいよね?」

大きな瞳をわずかに細めて柔らかな笑みを浮かべたあと、エマちゃんはカスミちゃんの机の上にあったメイクポーチや鏡をなんの躊躇もなくはたき落とした。

「なっ……!!」

一部始終を目撃していたカスミちゃんは弾かれたように駆け出した。

「ふざけんな!!お前、何してんだよ!?」

カスミちゃんはエマちゃんのYシャツの襟元を掴み上げた。

でも、こんな状況になってもエマちゃんはにこやかな表情を浮かべたままだ。

「何してる……?エマとあなたはさっき友達になったんでしょ?だから、冗談でやってみたの」

「ハァ!?」

「自分で言ってたんだよ?冗談だって。違う?エマ、間違ったこと言ったかな?もし違うなら、教えて?ちゃんとエマが納得するようにきちんと教えてね」

「アンタ、あたしにケンカ売ってんの……!?」

「ケンカなんて売ってないよ。ただ、エマはイジメをイジメと認めずに『友達』って言葉を使うあなたが許せなかっただけ。人を傷付けて楽しい?」

「なに言ってんの?あたしは愛奈をイジメてなんていない」

「それはあなたがそう思っているだけ。自分にそんな気がなくても相手が嫌だと感じた時点でそれはイジメなの。あなたのようないじめっ子がエマは大っ嫌い」

エマちゃんはそう言うと、カスミちゃんのYシャツの襟元を右手でぎゅっと掴んだ。

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