イジメ返し―新たな復讐―
真紀はわたしにとって一番の親友だ。

真紀がどう思っているのかは分からないけれど、わたしにとっては一番の友達。

正直、真紀との出会いという出会いはよく覚えていない。

小学校のときは人数が少なく1クラスだった。

真紀はクラスメイトの一人で、特に親しい間柄ではなかったように思う。

そもそも、わたしには友達がいなかった。

昔から人見知りで自分から積極的に誰かに話しかけることは苦手だったし、どんな会話をしたらいいのかもよくわからなかった。

だからといって一人がよかったわけじゃない。

本当はクラスメイトみんなと仲良くしたかったし、楽しくしゃべりたかった。

輪の中の中心にいることはできなくても、輪の中には入っていたかった。

でも、どうしてもそれがうまくできない。

他人から自分がどう思われているのかばかりが気になって、周りの目に常に怯えていた。

理想と現実の間でもみくちゃにされて悩んでいたちょうどあの時期、カスミちゃんが転校してきてわたしの生活はさらに苦しいものになる。

わたしはすぐにカスミちゃんに目をつけられた。

大人しくて言い返すことができないわたしをカスミちゃんはまるで奴隷のように扱った。

『これ、先生のところに運んどいて』『日直の日誌、代わりに書いておいて』『ウサギ当番、やっといて』

カスミちゃんは雑用やめんどうなことは全てわたしに押しつけるようになった。

でも、わたしは『嫌だ』とは言えなかった。

カスミちゃんのお願いを断れば、今以上に酷い状況になるのは目に見えていたから。

これ以上苦しい思いをするのだけは絶対に避けたかった。
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