イジメ返し―新たな復讐―

壊れかけの心


授業中にも関わらずずっと下を向いたままスマホを弄っていたカスミちゃんに気付いた瞬間から嫌な予感はしていた。

その予感は的中していた。

グループメッセージが飛んだ。

【拡散して】そんなカスミちゃんの言葉の次にあったのは動画だった。

以前わたしの家で撮影されたダンス動画。

それをカスミちゃんはクラス全員に送りつけ、わたしをさらし者にした。

休み時間になると、メッセージを確認したのかクラス中のあちこちで笑い声が上がった。

「ちょっ、ヤバくね!?超ウケる!」

「なにこれぇ。痛すぎ。なんで笑ってんの?」

周りからの白い目と嘲笑に包まれてわたしは身動き一つとれずに固まった。

それと同時にグループチャットにはメッセージが流れ続ける。

【佐知子:キモっ】

【杏奈:これは痛い】

【アキナ:痛すぎでしょ!】

胸が張り裂けそうになる。

わたしが見ると知っていてみんなはこのメッセージを打っている。

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