イジメ返し―新たな復讐―
「卒業まで短いようで長いの。その間、カスミちゃんたちにやられたままでいいの?理不尽なことを要求されたりしても耐え続けるの?」

「それは……」

ぐっと固く手のひらを握り締める。

このままでいいなんて思っていない。

イジメにあらがいたい気持ちは強い。だけど、そんな勇気も気力もない。

もし失敗すればどうなるか……想像するだけで恐ろしい。

「エマが協力するよ」

「え……?」

「イジメはイジメられる人が悪いんじゃない。イジメる人が悪いの。そう思わない?」

「それはそうだけど……」

「だったら、やり返そう。やられた分の倍……ううん、十倍……百倍の痛みを味合わせるの。イジメた分の代償を払ってもらう」

「やり返したい気持ちはもちろんあるよ。でも、そんなことできるのかな……?」

「一人じゃできないことも、二人ならきっとできるよ。エマが愛奈ちゃんのイジメ返しに協力してあげる」

「協力してくれるのは嬉しいよ。エマちゃんっていう味方ができたのだって心強い。でもさ、エマちゃんには何の得もないよ?今日のことできっとカスミちゃんはエマちゃんにも目を付けたはずだもん。エマちゃんにそんな迷惑……かけられないよ」

わたしはふるふると首を横に振った。
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