イジメ返し―新たな復讐―
『カスミちゃんが自分だけ楽しようとして嫌なことはみんな他の子に押しつけるんです!』

正義感の強いクラスメイトの一人が担任にそう密告したのを知ると、カスミちゃんはその子のことを陰で延々とイジメた。

それはいじめという3文字では表せないぐらい、卑劣で悪質で最悪な行為だった。

クラスメイト全員にその子を無視するように命令し、その子の給食にチョークの粉を振りかけたりもした。もちろん、カスミちゃんがやるのではない。

違う誰かにやらせるのだ。そう、その子の……親友に。

互いのことを疑心暗鬼にさせて絆を崩壊させるやり方をカスミちゃんは得意としていた。

結局、その子は徐々に元気をなくしていき、給食が食べれなくなり、保健室登校になった。

それでも、カスミちゃんは手を緩めない。

保健室の先生がいない時を見計らい彼女に近付くと、見えない部分に暴力を加えて彼女を更に追い詰めた。

逃げ場を失い完璧にやりこめられた彼女は、休みがちになりしばらくすると不登校になった。

風の噂でそのあと、家族全員で他県に引っ越していったと知った。

うらやましかった。逃げ道があるということが。

それからカスミちゃんに逆らえばどうなるか、身をもって経験したわたしたちはカスミちゃんに逆らうという術を失った。

そのことでカスミちゃんは更に横暴な態度をとるようになってしまった。

ずっとわたしはカスミちゃんの奴隷だった。

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