イジメ返し―新たな復讐―
第四章

イジメ返し―愛奈side―



【愛奈side】

「なんか……エマちゃんってすごい」

「記憶力はいいの。だから、一度見た人や名前は忘れない。それと、人のことを観察するのが好きなだけ」

エマちゃんに佐知子の特徴や情報を全て伝えると、エマちゃんはそのすべての情報をメモではなく一度で全て頭に入れたようだ。

それどころか、意外な部分に目をつけていた。

「彼女、どうしていつもマスクをつけてるんだろうね」

「いくつかアレルギー持ってるみたいだよ?」

「アレルギー……そういう言い訳もあるか」

エマちゃんはそう言うと、わたしにすっと右手を差し出した。

「エマと愛奈ちゃんはこれからともに戦う仲間だよ。愛奈ちゃん、よろしく」

「も、もちろんだよ。こちらこそ、よろしくね」

わたしはエマちゃんの手をギュッと握った。

「佐知子ちゃんはマスクの下に一体どんな顔を隠し持っているんだろうね」

エマちゃんは目が合うと、天使のような笑みを浮かべてそう呟いた。

その笑みは背筋が寒くなるほどに美しい笑顔だった。


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