イジメ返し―新たな復讐―
「そんな……！嘘でしょ……」

数メートル先の家の前にいるカスミちゃんと志穂ちゃんに気付いた瞬間、体が凍り付いた。

なんとなくこうなることは予想していた。

まだ二人はわたしの存在に気付いていない。

そのままUターンしようとゆっくりと自転車を傾けた時、タイヤがじゃりじゃりっと音を立てた。

その音に気付いたカスミちゃんがこちらに視線を向けた。

その瞬間、すべてが終わった気がした。

「あーいーな。アンタあたしのことブロックしたでしょ～？」

全身の毛が逆立った気がした。

カスミちゃんは自転車にまたがったまま身動き一つとれずにいるわたしに近付くと、思いっきり自転車のタイヤを蹴飛ばした。

物凄い衝撃に自転車ごと地面に倒れ込んだわたしをカスミちゃんは見下ろす。

「カスミちゃ……」

「早く立ちなよ？」

グリグリとあたしの足首を踏みつけてわざと立ち上がれないようにしておきながら、カスミちゃんは無慈悲な言葉をわたしにぶつけて悪魔のような笑みを浮かべた。


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