イジメ返し―新たな復讐―
「何その目。マジで死ねよ」
カスミちゃんの低い声と同時に再び何かがわたしの顔面に飛んできた。
それが何であるのかよく分からない早さだった。きっとカスミちゃんの足だろう。
わたしは床に転がり、受け身も取れず頭をアスファルトに叩きつけられた。
意識が徐々に遠のいていく。
「ちょっと、愛奈ってば泡ふいてる!カスミ、やりすぎだって。マジで死ぬよ」
志穂ちゃんの声がぼわぼわと耳の奥に反響する。
「死んだっていいし」
「暴力振るって死んだら殺人で捕まるよ!?」
「少年法ってやつで守られてるし、大丈夫だって」
カスミちゃんはこんな状況になっても焦る様子は一切なく笑っているようだ。
頭がジンジンと痛む。
「佐知子~?今日の賭け、アンタの負け~!アイツ便器舐めたから。明日1万持ってきてよね」
一体、何の話……?わたし、便器なんて舐めてない。電話口の相手は佐知子?
わたしが便器を舐めるかどうか、カスミちゃんと賭け事でもしていたの?
最低だよ、佐知子。許せない。
絶対に許さない。
わたしを賭けの道具に使ったこと一生後悔させてやる。
そう心に誓った瞬間、わたしの意識はシャットダウンした。