イジメ返し―新たな復讐―
「おはよ」
翌朝、学校に着くと仲良しの香織があたしの元へ駆け寄ってきた。
「ちょっと、佐知子。見た~?」
「なにを?」
「隣のクラスの全員、今日黒マスクしてきてるの」
「黒マスク?」
「そうそう。神宮寺エマいるじゃん?昨日隣のクラスの子に聞いたんだけど、あの子がクラス全員に黒マスク配って全員で動画とか写真を撮るみたいなことをやってるらしいよ」
「へぇ……」
黒マスクか。
普段マスクをしているのは自分しかいないし、マスクをする人が増えたら嬉しいと単純に考えていた。
「ねぇ、ちょっと見に行ってみない?」
「うん。いいよ」
香織に誘われてあたしはバッグを自分の机に置くと、そのまま隣のクラスへ向かった。
「うわっ、なんか異様な光景だね」
香織の言葉に大きく頷く。確かに香織の言う通りだった。
全員が黒いマスクをして教室の後方のロッカー前に集まり写真撮影をしている。
和気あいあいとした楽しそうな雰囲気は伝わってくるものの、端から見るとどことなく違和感があった。
廊下には他のクラスの生徒や下級生まで集まり大騒ぎになっていた。
写真撮影しているところをスマホで撮影する人まで出てきた。
すると、突然隣のクラスの担任が教室に飛び込んできた。