イジメ返し―新たな復讐―
「お前たち、何をやってる！！どうして黒いマスクなんてしてる！！今すぐ外しなさい！」

先生の大声と同時に、みんなの輪の中心にいた神宮寺エマがスッと前に出た。

「先生、どうしたんですか？」

口元は分からない。ただ、目元を見ただけで美人だと分かる彼女。

全身から漂うオーラに息を飲む。

「ど、どうしたじゃない！この学校へ通う生徒が黒いマスクをつけて集団で歩いているとご近所の方から学校に苦情の電話が入ってる。今すぐ外すんだ！」

「マスクをつけることは悪いことですか？あれっ、校則にマスクは禁止とありましたか？」

「マスクは禁止じゃない！ただ、黒いマスクは例外だろう。黒いマスクはファッション性がある。今日のことを認めたら他のクラスの生徒も真似をしかねない！だから、禁止だ！」

「そうですか……。残念です。じゃあ、明日は全員で白いマスクをつけてきます。それならいいんですよね？」

「白いマスク……？だ、ダメだ！理由もなく白いマスクをつけてくることは禁止だ！全員、今すぐ外しなさい！！」

先生は慌てたようにそう答えた。その瞬間、エマちゃんがこちらを向いた。

明らかに彼女はあたしを見つめていた。

そして、ゆっくりとした動作であたしのことを指さした。

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