イジメ返し―新たな復讐―
「龍、よく寝れた?この後、どうする?」

あたしがそう尋ねると、龍はズボンを履く動作を続けながらあたしを一切見ずにこう言った。

「急いで出る準備しろよ。つーか、まず会計が先。玄関のところにパネルがあるからそこで払って」

「えっ、もう出るの?もう少しゆっくりしても――」

「うるせぇな!!いいから急げよ!」

龍が眉間にしわを寄せながら激しい口調であたしを怒鳴りつけた。

「えっ、あっ、うん……」

あたしは龍に言われるがままに準備をして、なけなしのお金で会計を済ませた。

ホテルを出た後も、龍は無言だった。

しきりにスマホをいじり誰かと連絡を取り合っているように見える。

「ねぇ、龍。あのさ、あたし龍の連絡先知らないから教えて?」

龍の腕にぎゅっとしがみつき、胸を押しあてて上目遣いで見つめる。

すると、龍はその場に立ち止まるとあたしを見下ろした。

「離せ。お前にもう用はないんだよ」

「えっ……?」

「一回ヤッたぐらいで俺の女気どりすんじゃねぇよ!」

龍はあたしの腕を力いっぱい振りほどくとそのままスタスタと大股で歩き出す。

「ちょっ、龍……!?待ってよ!!ねぇってば!!」

必死に追いかけると、龍は振り向きざまにあたしの顔面を手のひらではたいた。

その容赦のない攻撃に唖然とする。

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