イジメ返し―新たな復讐―
「チッ、忙しいのに何よ」

今は紅蘭と華に連絡するのが先なのに。

しばらくして切れるだろうと予想していたのに、カスミはしつこく電話を鳴らし続ける。

きっとあの女のことだ。出るまでかけ続けることだろう。

さっき龍との写真をカスミに送ってしまったことを心底後悔した。

やり逃げされたなどと知ればきっとカスミにバカにされる。

自分で自分の首を絞めてしまうなんて思ってもみなかった。

仕方ない。うまく誤魔化すしかない。

根負けしたあたしは仕方なく電話に出ることにした。

「もしもし？カスミ？」

『あれ。まだ元気なんだ』

「何それ。どういうこと？」

『アンタってマジで大バカ者だね。あたしにあの男の写真送ってマウンティングでもしようって考えた？』

「そ、それは……」

返す言葉が見つからず言葉に詰まったあたしは話題を変えることにした。

「そうだ。そんなことよりさ、隣のクラスの神宮寺エマって愛奈と一緒にカスミの悪口言いふらしてるらしいよ。マジ最低じゃない？ちょっと痛い目見せてやったほうがいいって。カスミ、アイツらにナメられてるんじゃない？」

まくしたてるようにしゃべると、電話の向こうからカスミの笑い声が聞こえてきた。

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