イジメ返し―新たな復讐―

『あははははは！別にいいんじゃない？言わせておけば。別にあたしは痛くもかゆくもないし？』

「でも、アイツらさ――」

『つーかさ、あたしの悪口言ってんのってアンタでしょ？あたしさぁ、ぜーーーんぶ知ってんの』

「え……？カスミ、何言って――」

『紅蘭と華に言われたんだよねぇ。志穂がよくアンタの悪口言ってるよって。その話を聞いた時すぐにアンタのことボコッてもよかったんだけどさ、それじゃつまんないなって思っててさ』

「え……？カスミ、何言ってんの……？ちょっと待って。紅蘭と華と……カスミが……？嘘……そんなはず……」

頭の中で紅蘭と華にした話を思い出す。二人とカスミは繋がっていないという妙な安心が感がありあたしは二人に悪口を言った。

二人だって何かあったら相談に乗ってくれると言っていた。

カスミと友達だなんて一言も言っていなかったのに。

それなのに――。

『紅蘭も華も楽しんでたんじゃないの？アイツらと友達になろうと思う奴なんてこの辺りにはいないよ？アイツら、この辺りを仕切ってる相当達の悪い連中とつるんでるし』

「え……？」

さっきの二人のメッセージを思い出して背筋が冷たくなる。

『アンタもバカだよね。あたしにあんな写真送りつけてくるから。あたしもアンタに陰で悪口言われてストレスたまってたから、仕返ししちゃった』

「仕返しって……？」

『あの男、紅蘭の彼氏じゃん。知ってて寝たわけ？それとも、たまたま？紅蘭に転送したら、怒り狂ってたよ。今頃、アンタのこと街中血眼になって探してんじゃない？仲間たち引き連れてさ』

「へっ？」

自分の口から零れたその声は信じられないぐらいにマヌケだった。

『あたしずーっと、紅蘭と華のこと嫌いだったんだよね。アイツらが隣町ででかい顔すんのも許せなくてさぁ。だからいつか自滅してくんないかなぁって思ってたの。だから、アンタにはお礼を言いたいぐらい。紅蘭の彼氏寝取るなんてマジ最高！アイツら去年も事件起こしてるような人間だからまぁせいぜい頑張ってよ。死なないことを願ってるから』

カスミの電話ですべてを思い知った。

全身がガタガタと震えだす。

あたしはとんでもない男に手を出してしまったのかもしれない。