イジメ返し―新たな復讐―
「ま、待ってカスミ!!あたしどうしたらいいの!?二人には家も知られてる!!うちにきたら……。そうだ、お願いカスミ!あたしを助けて。これには訳があるの。神宮寺エマに紹介されたの!それでそういうことになって……。だから、あたしが誘惑したとかそんなんじゃなくて!」

『神宮寺エマが龍を……?』

「そう!男友達だって紹介されて……それで……」

『龍っていつも金に困ってるし、エマに金で雇われたんじゃないの?』

「どうして?一体、何のために!?」

『アンタ、ハメられたんじゃないの?あの女に』

カスミの冷静な声にふと我にかえる。

ハメられた……?あたしが……?神宮寺エマに?

「ま、まさか!だってあたしあの子とは何の関りもな――」

言いかけてハッとする。

ひとつだけ思い当たる節がある。愛奈だ。愛奈とエマが手を組んでいたとしたら……?

そういえば屋上で愛奈が言っていた。

『必ず仕返ししてやる。イジメ返しされたとき、今までの自分の非道な行いを後悔したらいい』

「あたし……愛奈に仕返しされたの……?これってイジメ返し……?」

ポツリと呟く。

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