イジメ返し―新たな復讐―
『イジメ返し?』

「そ、そうだよ!愛奈言ってたの。あたしにイジメ返しするって。イジメた人間にやり返すって。佐知子があんなふうになったのも愛奈のせいだよ。愛奈が裏で仕組んだことなの!!」

『ふぅーん』

カスミは気のない返事をする。

「アイツら怖いよ。何をするわかんない。次にイジメ返しをされるのはカスミだよ!?」

『別にアイツらのことなんて何も怖くないし。やれるもんならやってみろって感じ?』

さらりとカスミがそう言った瞬間、前方から誰かが歩いてくる気配がした。

視線をそちらに向けた瞬間、体中が凍り付き喉の奥に言葉が張り付いた。

悲鳴を上げなくてはいけない。今すぐに誰かに助けを求めなくてはいけない。

でも、声に出すことは出来ない。

徐々に人影が近付いてくる。膝が震えて立っていることすらやっとだ。

すぐそばまで迫ってきたのは紅蘭と華、それに複数の強面の男たちだった。

全員から怒りと憎しみの感情が伝わってくる。

「か、カスミ……、お願い……。た、助けて……」

もうすがりつける相手は電話口にいるカスミしかいなかった。

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