イジメ返し―新たな復讐―
こんなはずじゃなかったのに。
こんなことのためにイジメ返しをしたわけじゃない。
こうなると分かっていたらイジメ返しなんてしなかった。
目をつぶると、真紀の顔が目に浮かんだ。
真紀はずっとわたしを守ろうとしてくれていた。
それなのにわたしは真紀の気持ちに気付くことなく、真紀のことを一方的に責め、誤解して憎んだ。
結果その憎しみを抑えられず、真紀を傷付けようとした。
エマちゃんの言う通りかもしれない。
わたしはいつからか変わってしまった。イジメ返しを楽しみ、それが終わった後も自分が強くなった気になって自分の気に入らない人間を傷付けようとした。
排除しようとした。
これじゃカスミちゃんと一緒だ。
世界一大っ嫌いなカスミちゃんと同じ人間になっていた。
伊藤先生にも忠告されたのにわたしは耳を貸そうとはしなかった。