イジメ返し―新たな復讐―
「うん。ちょっと色々あって……。でも、それは誤解で――。し、志穂ちゃんからも誤解だってカスミちゃんに言ってもらえないかな?お、お願い……!」

「えー、めんどくさいから嫌だし。ふふっ、ご愁傷様~!まっ、頑張ってよ!」

わたしとカスミちゃんが揉めていることを面白がっている様子の志穂ちゃんはポンポンッとわたしの肩を叩くとそのままカスミちゃんの後を追った。

志穂ちゃんのあの様子からすると、カスミちゃんから昨日のことを知らされてはいないようだ。

てっきり上履きを隠したのはカスミちゃんに命令された志穂ちゃんだとばかり思っていたけど、違うの……?

わたしはキリキリと痛む胃を押さえながら教室に足を踏み入れた。


……おかしい。さっきから授業の内容が全く頭に入ってこない。

教室に足を踏み入れたわたしにクラスメイト達は普段通り接してくれた。

今までのカスミちゃんならばすぐにクラス中の生徒達を仲間にしてわたしをハブったに違いない。

昨日のカスミちゃんは間違いなくわたしに怒っていた。今朝だって機嫌が悪そうだったし、わたしの言葉を露骨に無視した。

それなのにどうして今回は周りを仲間にしてわたしを攻撃してこないんだろう……?
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