イジメ返し―新たな復讐―
「……あははは!ウケるんだけど!愛奈、アンタ先生いじめんじゃねーよ!!」

ゲラゲラと馬鹿笑いを始めたカスミちゃんにつられてクラス中からどっと笑い声が沸き起こる。

全く面白くない。みんなの前でダサいなどと言われて晒し上げられた先生の気持ちを考えると強烈に胸が痛んだ。

わたしは自分可愛さの為に先生を傷付けた。

こんな行為、許されることではない。でも、そうでもしなければわたしは……――。

「あぁ、私の洋服?確かによく言われるの。ダサいって。でも、好きな洋服を着ているだけだから誰になんて言われてもいいの。それで、林さん。答えは?」

「えっ、あっ……はい。答えは1番です」

「はい、よくできました。じゃあ、説明していくわね」

先生はにっこりと微笑むと、さっきのわたしの言葉なんて全く気にする様子も見せずに授業を再開した。

ホッと胸を撫で下ろしたと同時に再びメッセージが届いた。

【カスミちゃん:アイツに消しゴム投げろ】

カスミちゃんのメッセージから怒りを感じる。

わたしは震える指先で返事をした。

【それはできないよ】

【カスミちゃん:アンタに選択肢はないの。早く】

【カスミちゃん:早くやれよ】

返信する前に急かすようにスマホに届くカスミちゃんからのメッセージにめまいがしてくる。

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