イジメ返し―新たな復讐―

『ううん、わたしは今日予定があるから』

本当は予定などなかった。

でも、カスミちゃんと志穂ちゃんと遊ぶなんて死んでも嫌だった。

何回か『愛奈、今日神社集合ね』と行くとも行かないとも答えていないのに勝手に決められたことがある。ほぼ命令だ。

渋々町まで自転車で行くと、カスミちゃんと志穂ちゃんはわたしのお財布を奪い全ての会計をわたしのお金で済ませた。

必死に貯めたお小遣いを二人は何の躊躇もなく湯水のように使う。

目の前で自分のお金が消えていく。でも、それに抗う術はない。

このお金を渡さなければどんな仕打ちをうけるか分からない。

幼いながらにわたしは自分を守る術がこれしかないことに気付いていた。

『そう?じゃあ、残念だけど、また明日ね』

真紀はそう言ってひらひらとわたしに手を振った。

翌日、真紀は学校を休んだ。

その次の日も、次の日も。

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