イジメ返し―新たな復讐―
「伊藤と違ってアンタはそこそこ反射神経はいいんだね?」
クックと喉の奥で笑うカスミちゃんに足が震える。
恐い、と思った。何をするのか予想もつかない。人を傷付けることを気にもしない。
人の痛みや苦しみを自分の快楽にしてしまうこの人はやっぱり悪魔以外の何物でもない。
そんな悪魔にわたしは目をつけられてしまったのだ。
「つーか今日、志穂と一緒に愛奈んち遊びに行くから」
「え……?」
「じゃあ、そういうことで」
カスミちゃんはにやりと笑って言うと、呆然と立ち尽くすわたしの横を通り過ぎていった。
「うわっ、ひどくない……?」
「上履き入ってんの?」
重い体を必死に動かしてトイレの前まで何とか辿り着くと、入り口にはたくさんの生徒がいた。
どうやらカスミちゃんの言う通り便器の中に上履きがあるらしい。