イジメ返し―新たな復讐―
第二章

晒し上げ

放課後になるとわたしは『今日は用があるから早く帰らないといけないの』と真紀に告げて誰よりも早く教室を出た。

自転車に飛び乗って立ち漕ぎをして家を目指す。

カスミちゃんたちが来る前に部屋の中の整理をする必要があった。

ありがたいことに母は不在だった。

息を切らして玄関に入ると、靴を脱ぎ捨てて二階の自室へ向かう。

入るなりバッグをベッドに投げてわたしはチェストへ向かった。

洋服の入っているチェストの一番下の棚の洋服の下にわたしは全財産を隠していた。

以前貯金をするからと話して作ってもらったわたし名義の通帳とキャッシュカード、それにコツコツと貯めていた５００円玉貯金。

それらをひとまとめにして紙袋に入れ、キッチンへ走る。

お菓子の入っている棚にそれを押し込み、再び部屋へ戻る。

取られたり見られたりしてマズい物は今すぐにどこかへ移動させるか隠す必要がある。
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