イジメ返し―新たな復讐―
「どうしてそれを……？」

「アンタって小学校の時から変わってないよねぇ。大事なものはいつもお菓子の入ってる棚に隠してたじゃん」

「あっ……」

確かにわたしは以前からカスミちゃんが家に来るときは必ずあの場所に大切なものを隠した。

だけど、どうしてそれを知っているの……？

頭が混乱する。

まさか、ずっと……あそこに隠しているのを知っていた……？

「つーか、邪魔」

カスミちゃんがわたしの体を押しのけるように強引に部屋に足を踏み入れた。

あまりの絶望に体中がブルブルと震える。

このままでは奪われてしまう。全部、わたしの物もお金も希望も未来も。全部カスミちゃんに奪われる。

「重たっ！！５００円玉貯金とか今時やってる奴いんの～？」

「でもさ、結構入ってんじゃん。１０枚で５０００円でしょ？夕飯なんかうまい物でも食べよっか」

カスミちゃんと志穂ちゃんは貯金箱を開け５００円玉を掴むと、自分の制服のポケットに押し込んだ。

そして、通帳に手をかけたカスミちゃんがニヤリと笑った。

「へぇ、さすが堅実な愛奈だねぇ。今度一緒に買い物にでも行こうか？いいよね？うちらって友達だもん」

カスミちゃんはそう言うと、バッグを掴んで肩にかけた。

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