イジメ返し―新たな復讐―
「じゃ、うちら帰るから。通帳のお金、勝手にどっかに移したりしたら許さないから」

「こ、このお金はダメなの……。これは使えない……」

わたしはふるふると首を横に振った。

これだけはカスミちゃんに渡せない。

必死になって貯めてきたこのお金はわたしの将来の為のお金。わたしが幸せになるために貯めたお金なんだ。

「カスミちゃん、お願いだから……。ねっ？」

カスミちゃんの腕にすがりつく。正直、どうしてわたしがかすみちゃんにすがりつくのか自分でもよくわからなかった。

でも、そんなこと今はどうだっていい。このお金だけはなんとしても守らなくてはいけない。

「馴れ馴れしく触んなよ！」

カスミちゃんはわたしの腕を振り払うと、両手でわたしの肩を強く押した。

「キャッ……―- ！！」

その場に尻もちをついたわたしの髪をカスミちゃんは右手で掴んだ。

「愛奈ごときがあたしにお願いすんじゃねーよ。アンタはあたしの言うこと聞いてればいいの。分かった？」

「うぅ……」

髪を引っ張り上げられて悔しさと怒りと悲しさといろんな感情が込み上げてきて自然と嗚咽が漏れる。

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