イジメ返し―新たな復讐―

『あかねとみほって田舎臭いんだよねぇ。今着てるその洋服とか、流行おくれだから』

カスミちゃんはクラスメイト達がいる中で二人を見下すような発言を繰り返した。

最初は言い返していた二人もあまりのカスミちゃんのしつこさに嫌気が差したのか、その座を彼女に譲った。

カスミちゃんと取り巻きの志穂ちゃんがカーストの最上部に位置するようになってからはクラスは滅茶苦茶だった。

教室がいつもどこかピリピリと張り詰めた重苦しい雰囲気になっていたし、言いたいことは常に我慢してカスミちゃんの機嫌を損ねないようにと全員が神経をすり減らしていた。

先生だってそうだ。カスミちゃんからの容赦のない攻撃を受けて心を病んだ担任が休職する騒ぎにもなった。

そのあとにやってきた臨時教諭は2週間でさじを投げたし、次にやってきた人は10日ももたなかった。

カスミちゃんはそれぐらいの人間だ。

教室内の出来事を注意できる先生がいなくなってからは、毎日日替わりにターゲットを変えてカスミちゃんはイジメを繰り返した。

誰もカスミちゃんに文句は言えない。

言えば今度は自分がターゲットになってしまうから。

そんなわたしたちの気持ちを全て悟っているかのように、カスミちゃんはクラスを牛耳りわたしたちを支配した。

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