イジメ返し―新たな復讐―
「きったねー女」

無理して抑えたせいか、鼻の方にまで逆流してしまった。

鼻の奥に強烈な痛みが走り、顔を歪める。

「あー、くさっ。志穂、いこっ」

カスミちゃんの無慈悲な声が鼓膜を震わせる。

「うわっ、大惨事じゃん。愛奈、片付け頑張ってねぇ」

志穂ちゃんが他人事のように言う。

「ごほっ、ゴホッ―――!!!」

涙を浮かべてその場にうずくまって嘔吐をするわたしを残して二人は部屋から出て行った。

制服は嘔吐物で汚れてしまった。

どのぐらいわたしは床に座り込んだままでいたんだろう。

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