イジメ返し―新たな復讐―
「ちょっと、愛奈!あなた部屋の電気もつけないで何してるの!?」

部屋の扉を開けたお母さん。

「今朝、お母さんは帰りが遅くなるからご飯のスイッチを入れて炊いておいてってお願いしたわよね?それに、お風呂だって洗ってないじゃない!お父さんが残業じゃなかったとしたらもうすぐ帰ってきてしまうわ。ご飯もお風呂も用意できていないことを知られたら私が怒られちゃうじゃない!?どうしてくれるの!?」

お父さんがいる時には借りてきた猫のように大人しくしていて別人のようなのに、母はわたしだけのときはこうやって声を荒げる。

ヒステリックに金切り声をあげる母にわたしは何も答えることができない。

「何を黙っているの!?愛奈!?」

部屋の入口にある電気を母がつけた。

その瞬間、自分の体の周りがどうなっているか嫌でも目視することになった。

「な、なに、この匂い……。ちょっ、あなた吐いたの……?」

母が絶句したのが分かった。

「ハァ……。ホント呆れた子ねぇ。どうしてトイレまで間に合わせることができないの?もう子供じゃないんだからビニールに吐くとか何とかしようって考えない?あーもう、どうするのよ、それ。お母さんはクリーニング屋さんに出しに行くのは嫌よ!そうだわ、最近の制服は洗えるのよ。お母さんは食事の準備があるから愛奈が自分で洗いなさい?それから部屋も換気してきちんと掃除するのよ?お父さんが知ったらなんていうか……。いい?ちゃんと自分で始末なさい。それぐらいできるでしょ?」

母はまくしたてるようにそういうと部屋から出て行った。
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