イジメ返し―新たな復讐―
「別にここで踊ればいいなんて言ってないし。教壇の上で踊ればいいじゃない」
「あんなところで踊るのはきついよ……」
「ハァ~?なんでアンタがいちいち口出ししてくるわけ?なら、アンタが佐知子の代わりに踊んの?」
「それは――」
そんなの絶対に嫌だ。そうじゃなくても昨日わたしは二人の前であのダンスを披露し、動画にとられてゲラゲラと笑われて傷付いた。
二度とごめんだ。
こんなに大勢の人がいる前で踊るのはさらにごめんだ。
「残念だったね、佐知子。愛奈はアンタの代わりに踊りたくないんだってさ。それなら佐知子に踊ってもらうしかないよねぇ」
なんて答えたらいいのか分からずに口ごもっているわたしを見てカスミちゃんは満足そうにそう言うと、「はい、ステージへどーぞ!」と佐知子に指示を出した。
「みんな、ちゅうもーーーーく!!!」
カスミちゃんは廊下にいた生徒たちまで引き連れて教室へ招き入れた。
大勢の生徒たちが見つめる中、渋々教壇の上に立った佐知子はすでに涙を流していた。
その姿に心臓が不快な音を立てて震える。でも、わたしはカスミちゃんに逆らうことができず、カスミちゃんの指示通り自分のスマホで音楽を流すしかな