イジメ返し―新たな復讐―
「はい、踊って~」

カスミちゃんはその様子を動画で撮るらしい。

「こんなのできないよ。やりたくない……!」

「ノリ悪~!人気者になれるチャンスじゃん!そうじゃなくても巨デブなんだからダイエットと思って。ねっ?」

「無理だよ……。できない……。こんなことしたくない」

よっぽど追い込まれたんだろう。

佐知子は恥ずかしさからか顔だけでなく耳まで真っ赤になる。

「無理だよ……。お願いだから許して……」

涙か鼻水かよだれか汗か分からない液体を垂れ流し、グチャグチャの顔になりながら必死でやりたくないと駄々をこねる。

カスミちゃんはその様子を見て、自分の指示に従おうとしない佐知子に対して明らかにいら立った様子だった。

「やりたいとかやりたくないとか、アンタに決定権はないの。あたしがやれって言ったらアンタはやるの。それ以外の選択肢はないから」

「でも、できないの……」

「気持ち悪ー。マジ泣くなよ。デブスの泣き顔ほど気持ち悪いものないから」

呆れたように鼻で笑うカスミちゃんの様子を教室中にいる誰もが恐ろしいものでもみるかのように見つめていた。

そのとき、予鈴を告げるチャイムが鳴りだした。

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