イジメ返し―新たな復讐―
まんまとカスミちゃんの手の上で転がされている佐知子とその友人。

そしてわたしも、カスミちゃんの手の上で転がされている一人にすぎなかった。

その日から、佐知子とその友達はカスミちゃんとは違うやり方でわたしのことを追い詰めようとした。

直接的に物を隠したり、暴力を振るったりすることはない。

ただ、わたしに分かるように悪口を言ったり、わたしが近くを通り過ぎる時「マジ、最低」とか「死ね」とか小声で囁いたり、露骨に無視をしたりした。

肉体的ではなく精神的なイジメ。

カスミちゃんのやり方とは全く違う方法だったけれど、正直きつかった。

佐知子率いるその集団は全員2軍だったし、1軍とも3軍とも仲良く関わることができた。

わたしという敵を1軍2軍3軍が総出で潰しにかかえっているようなものだった。

どこのグループにも属していない生徒たちの目も冷ややかになりつつあった。

頼みの綱は真紀の存在だった。

真紀がクラスにいるときだけは佐知子たちはわたしへの攻撃を辞めた。

でも、いなくなればここぞとばかりにわたしを攻撃してくる。

最悪なことに、真紀はこの頃度々体調を崩して学校を休んだ。

真紀が欠席すると、わたしには心休まる時間がなかった。
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