イジメ返し―新たな復讐―
仲直り……？わたしがみんなと仲良く？そもそもこれはケンカではない。

元々カスミちゃんが佐知子を無理にいじったことで始まったこと。

わたしも佐知子もカスミちゃんに巻き込まれた被害者だ。

その被害者同士が揉めるように仕向けたのはカスミちゃんだし、裏で手を回しているのもカスミちゃんだ。

確かにわたしはカスミちゃんを止めることができなかった。

でも、きっと佐知子が逆の立場でもどうすることもできなかったはずだ。

佐知子だって分かっているはずだ。誰が一番悪いのかを。怒りの矛先を向けるべき相手が誰なのかを。

それを分かっているのにできないから、自分の友達を仲間につけてわたしにその矛先を向けた。

責められるべきはわたしだけではなく、佐知子だって一緒のはずだ。

「みんなわたしをイジメて楽しんでる。分かるのそういうのが雰囲気で。クラスのみんなはわたしをイジメて仲間外れにして意地悪をして無視をしてわたしが困った顔をするのを楽しんでる。それなのに、どうしてイジメられてる方が謝らないといけないの？」

「イジメなんて……、みんなそんなつもりじゃないと思うよ？」

「なにそれ。無視されてるのに……それでもそんなつもりじゃない？どうしてそういう考えになるの！？」

「愛奈……」

真紀は困ったように表情を固くする。

「もういい！真紀とはきっと一生分かり合えない。カスミちゃんたちとも勝手に遊んだら？わたしはもう止めない。でも、何かあっても絶対にわたしに泣きついてこないでよ！？」

わたしの言葉に真紀は何ともいえない辛そうな表情を浮かべた。

こんな風に言い合いになったのは初めてだった。

心の中に沸き上がってくる感情は怒りだ。

真紀が憎いとわたしは確かにそう感じた。

わたしは真紀と親しいつもりでいた。一方的かもしれないけれど、親友だと思っている。それなのに、どうして親友が困っているときに手を差し伸べてくれないんだろう。
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