イジメ返し―新たな復讐―
「いたっ！！」

その瞬間、背中にわずかな痛みが走った。

足元に転がったのは、わたしの体育館シューズが入った袋だった。

背中を押さえて振り返ると、そこにいたのは佐知子とその仲間たちだった。

「佐知子ってばコントロール良すぎ～！」

ケラケラと笑う声。わたしはあ然とした表情でマスク姿の佐知子を見つめた。

「どうして……？」

今まで無視や悪口はあったけど、身体的なイジメはなかった。

「どうしてって、アンタが目障りだから」

「目ざわり……？」

「そう。その目とか、愛奈の雰囲気とか理由は思いつかないけどとにかくイラつくんだよね。存在がウザいっていうの？」

「そんな……。ねぇ、佐知子。この間のカスミちゃんとのことで怒ってるなら――」

「違うよ。カスミちゃんに踊れって強要されたあたしを見捨てたから怒ってるんじゃない。前からウザかったんだよね。頭がいいからってなんかみんなのこと見下してるっていうか、そういう目でうちらのこと見る事あったよね？あたしはみんなとは違うんだ～、みたいな？」

佐知子の言葉に周りの友達が「わかる！愛奈ってそういうところあるよね」と同調する。

「そ、そんなことないよ。わたし、そんなふうに思ったことない」

「自分ではそう思っててもあたし達はそういう風に感じてたの。正直、前からアンタのことウザいって思ってた。なーんか鼻につくんだよね。でも、真紀と仲が良いから我慢してたの」

佐知子の言葉に固まる。わたしのことをウザいって思ってた……？

真紀と仲が良いから我慢していた……？

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