イジメ返し―新たな復讐―

「真紀、さっきカスミちゃんと一緒に出て行ったよね？アンタ、真紀に見捨てられちゃったんだ？もうアンタの仲間一人もいなくなっちゃったねぇ～」

佐知子とその友達がわたしを取り囲んで口々に罵る。

全身に鳥肌が立った。

どうして……？

今まではずっとカスミちゃんからのいじめを耐え忍べば何とかなると思っていた。

カスミちゃん以外の子にこんな悪意を向けられることなどないと思っていたから。

それなのに。

「目ざわり。マジ消えて！」

佐知子はそう言うと持っていたペットボトルのフタを開けた。

にやりと笑うと佐知子は迷うことなく私の頭の上でペットボトルを逆さにした。

脳天がひやりとした。シュワシュワと音を立ててわたしの頭から首筋、それから背中の方にまで流れる炭酸飲料。

甘ったるい匂いが鼻腔に届く。

呆然と立ち尽くすわたしを見て、クラスメイト達は一斉にスマホを構えた。