イジメ返し―新たな復讐―
わたしたちの高校は近隣の中学校から集まった生徒で構成されていた。

学年もなんとか3クラスを保っているものの、あと誰か一人でも転校や退学をすれば2クラスになるという噂もある。

遠方の人はいない。みんな山に囲まれたこの小さな地域に暮らす子供たちだけ。

きっと他の学校よりも閉塞感があるんだろう。女子しかいないというのも原因のひとつだ。

逃げ道を塞がれ、逃げることができない。

教室内でのスクールカーストは色濃くなり、それに従いイジメ蔓延していく。

「あーー、マジムカつく!!」

登校するなり、カスミちゃんが自分の席で大声を張り上げた。

クラスメイト達はカスミちゃんの声に皆一様に眉をひそめて体を縮こませる。

「カスミ、どした~?」

「生理近いから超イライラする」

カスミちゃんの声にわたしは心の中で舌打ちした。

何があったのかと思えばそんなことか。

そう思ったのはわたしだけではなかったようだ。

「そんなこと?なんかあったのかと思ったじゃん」

「は?アンタ、今、なんて言った?」

「あっ、違くて!別に悪い意味じゃないんだけどさ!」

志穂ちゃんの返答が気に入らなかったのかカスミちゃんがギロリと志穂ちゃんを睨みつける。

志穂ちゃんは慌てて訂正するとカスミちゃんの機嫌を取るようににこりと笑った。

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