イジメ返し―新たな復讐―
「マジウケる！」

「佐知子、最高！！！」

「そんな言われると照れるし」

みんなにはやしたてられた佐知子は頬を赤らめて嬉しそうな表情を浮かべている。

急に目頭が熱くなる。なにこれ。なんなのよ。

胃がギュッと締め付けられるように痛んで立っていることがやっとだった。

「もう学校くんなよ～！」

一人の女子がそう言うと、わたしの持っていたカバンをひったくり床に叩きつけた。

一斉に踏みつけられて汚れていくわたしのカバン。

その瞬間、沸き上がる歓声と笑い声。

脳が現実逃避を始める。

やめて。もうやめて……―!!

わたしは弾かれたようにバッグを広い上げると、駆け出した。

その瞬間、佐知子がわたしの前に右足をサッと出した。

以前カスミちゃんにやられたときはとっさによけられた。

でも、涙で潤んだ視界で判断が一瞬遅れてしまった。

佐知子の足につまずいたわたしの体は思惑通り受け身も取れずにその場に叩きつけられた。

「ぐっ……！！」

胸を強く打ち付けたことで一瞬、息ができなくなる。

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