イジメ返し―新たな復讐―
「えぇ。途中で辞めるのは心残りよ。でも、色々な大人の事情もあるから。それに、みんなも私がまた教室へ入ればこの間のことを思い出してしまうわ。血もたくさん出ていたし……あのシーンがトラウマになってしまった子もいると思うの」

「え……」

「最後に別れの挨拶をしたいって申し出たんだけど、校長先生に止められてしまったのよ。生徒たちに動揺を与えかねないから挨拶はしないでほしいって。保護者の方からもクレームもあったし……残念だけど仕方がないわね」

「そ、そんな!」

わたしは悲痛な声をあげていた。

わたしの気持ちを理解してくれているのは先生だけだ。

その先生が学校を去ったら、今度こそわたしの味方は一人もいなくなってしまう。

「先生、やめないで。お願いだから……――」

「林さん、ごめんね」

先生は困ったように眉を下げる。

「今、きっと林さんは辛いよね。その気持ちは理解できる。もしもどうにも耐えられなくなったら逃げてもいいの。学校を休むのも手よ?あなたは頑張り屋さんだから無理をしすぎてしまわないかとても心配だわ」

「先生……」

わたしの目からは大粒の涙が溢れた。
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