きみと秘密を作る夜
「私のことなんてどうだっていいでしょ。あさひこそどうなの? カレシの話、ちっとも教えてくれないけど」


あさひは高校に入学してすぐの頃から付き合っている、カレシがいる。

バイト先の焼肉屋にお客としてきていた社会人で、ほとんどナンパに近い出会いだったらしいが、それ以上のことはほとんど教えてくれないのだ。



「写メすら見せてくれないじゃない」

「写真嫌いって言われるんだから仕方ないでしょ」

「今日は日曜なのに、会ったりしないの?」

「社会人だし、多趣味だし、友達多いし、忙しい人なの」

「何それ。カノジョなのにそんなに優先順位低いの?」

「うるさいなぁ。明日の夜は会う約束してるからいいの」


友達は日曜日ずっとで、カノジョは平日の夜だけか。

それってどうなんだろう、とは思ったが、人の付き合い方に口を出すべきではない。



「まぁ、いいけどさ」

「っていうか、リナの話してたんだよ? 勝手に話すり替えて終わらせないでよ」

「紹介はいらない。以上」


強引に言う私。

あさひは肩をすくめ、それ以上を言うのは諦めてくれたらしい。
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