きみと秘密を作る夜
あの時、どうして晴人は私を助けてくれたのか。
私が遼のカノジョだから?
それとも単に正義感というだけで?
あさひから、無事に家に帰り着いたという連絡が入った。
私もそろりと家に帰り、自室でやっと息をつく。
遼からは、何件もの着信があったが、やっぱり話をする気にはなれなかった。
どうして自分がこんなに遼を避けているのかわからない。
あさひのように、私も怖かったと言って遼に抱き付いて泣ければよかったのだろうか。
未だに、頭に浮かぶのは晴人のことばかり。
そんな自分が、嫌で嫌でたまらなかった。