きみと秘密を作る夜
遼の家で、遼との二度目のセックスをした。
苦痛と嫌悪感は前以上で、ただただ我慢して時間をやり過ごすことだけに気をやっていた。
「好きだよ、リナ。大好きだ」
遼は行為が終わってもなお、私を抱き締め、そればかりを繰り返す。
しかし私は、それを言われる度に、心が冷たくなっていく気がした。
服を着るために、遼から体を離す。
「帰るよ」
「え……」
私の言葉に、遼はひどく驚いた顔で、がばっと体を起き上がらせた。
「ちょっ、待ってよ」
「ごめんね。でも今なら15分後の電車に間に合いそうだし。急いで帰って、買い出しして、夕飯の準備しなきゃいけないから」
「だからそれはリナがする必要ないって」
「そうだとしても、お母さんいないし、おばあちゃんには無理させられない。私は、やりたくてやってんの。遼に口出されることじゃない」
言い捨てるように言う私。
遼の望み通りにセックスしたのだから、他のことは放っておいてほしいという気持ちだったのだと思う。
私は服を着てそのままに、引き留めようとする遼を無視して、ドアに手を掛けた。