きみと秘密を作る夜
おばあちゃんが亡くなったあとくらいの頃、急に?

そういえば、ドーナツを持って行ったあの日、日曜日の昼間だったのに、晴人は家にいたなと思い出す。



「リナはどう思う?」

「……え?」

「ハルが急にバックレた理由、何かなって思って」


どきりとした。

自意識過剰じゃなく、それは、私の所為だろうから。


しかし、遼にそんなことは言えない。



「そんなの私が知るわけないじゃない。どうして私に聞くのよ」

「ハルに電話してもシカトされてるから、俺が何かしたかなって。リナももし思い当たることがあるなら教えてほしくて」


遼は私に何を言わせたいのだろう。



「ねぇ、そんなことより、私たちのことを話そうよ」

「だから話してるじゃないか!」


急に大声を出した遼に驚き、固まった。


さっきから晴人のことしか言っていないのに。

それは私たちのこととは何の関係もないはずなのに。



震える息を吐き、遼は真っ直ぐに私を見た。



「なぁ、リナ。本当のことを言ってくれないか」

「え……」

「リナとハルって、一体、何なんだ?」
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