きみと秘密を作る夜
ふと、教室の隅に目をやると、晴人がバカ騒ぎする男子の輪の中にいた。
晴人は学校でも人気者のグループにいて、いつもぎゃあぎゃあ騒ぐ友達に囲まれていた。
晴人こそ、私の前での態度とは大違いのくせに。
あまりにも凝視していたからか、視線に気付いた晴人がこちらを見た。
不意に目が合い、晴人はふっと口元だけで笑う。
何の笑み?
「ハルー? 何笑ってんのー?」
「いや、始業式の時に校長のズラが微妙にずれてたの思い出してさ」
「あー、あれでばれてないつもりだもんな。俺も笑ったもん」
またバカ騒ぎを始めた連中を無視して、ひとり真面目に看板に色を塗り続ける私。
他人に興味はない。
でも晴人だけは別だった。
この世界で唯一、晴人だけが、私が本音で話せる相手だから。
晴人は学校でも人気者のグループにいて、いつもぎゃあぎゃあ騒ぐ友達に囲まれていた。
晴人こそ、私の前での態度とは大違いのくせに。
あまりにも凝視していたからか、視線に気付いた晴人がこちらを見た。
不意に目が合い、晴人はふっと口元だけで笑う。
何の笑み?
「ハルー? 何笑ってんのー?」
「いや、始業式の時に校長のズラが微妙にずれてたの思い出してさ」
「あー、あれでばれてないつもりだもんな。俺も笑ったもん」
またバカ騒ぎを始めた連中を無視して、ひとり真面目に看板に色を塗り続ける私。
他人に興味はない。
でも晴人だけは別だった。
この世界で唯一、晴人だけが、私が本音で話せる相手だから。