きみと秘密を作る夜

ごめんね、遼。



結局は、私も晴人と同じで、逃げていただけだった。

心地のいい遼との関係を続けながら、晴人とのことを考えないようにしていただけだったの。


心のどこかではわかっていたのに。


それなのに、私は最後まで遼の優しさに甘えて、言うべき台詞を言わせてしまったね。

本当は何もかも私が悪かったのに、なのに遼は、わざと私を傷つけるやり方で別れてくれた。



「……ごめんなさい……」


遼のマンションを出たら、今まで我慢していた涙が溢れてきた。



泣くなんて卑怯だ。

私は被害者じゃないのに。


それでも、遼のことだって本当に好きだったのだ。



あさひにも謝らなきゃと、スマホを取り出し、コールしたのに、涙が止まらず上手く喋れない。



「おーい、リナ？　どしたの？　電波悪い？　もしもーし」


あさひの声を聞きながら、私はその場で泣き崩れた。