きみと秘密を作る夜
特別
文化祭が終わると中間テストがあって、球技大会が終わると今度は期末テストがあって。
必死で新生活に溶け込む努力をしながら日々を過ごすしているうちに、あっという間に終業式の日になっていた。
今日はクリスマスでもある。
帰宅して、私は晴人の部屋の窓に向かって石を投げた。
晴人は怪訝な顔で窓を開ける。
「何?」
「クリスマスプレゼント」
そう言って、私は包装のされた袋を投げた。
晴人はいきなりのことに、驚いた様子でそれをキャッチする。
「何これ?」
「だからぁ、クリスマスプレゼントだってばぁ」
相変わらずの怪訝な顔で、受け取ったプレゼントの包装を解いた晴人は、中身を見て「げっ」という声を出した。
問題集だ。
「私もそれ使ってんの。晴人さぁ、いっつも人の宿題写すばっかしてないで、それ使って少しは勉強したら?」
「色気のねぇプレゼントだ」
「うるさいなぁ。実用的なんだからいいじゃない」
「はいはい。頑張って勉強しまーす」
棒読みで、投げやりに言う晴人を笑った。
「ちゃんと勉強してるおかげで成績よかった私は、今晩は、家族でクリスマスパーティーでーす」
「はぁ? うっぜ」
「晴人は? 家族でお祝いしたりとかしないの? ケーキ食べたりとか」