きみと秘密を作る夜
「どうせふたりとも、いつもの席でいつもの定食でしょ? よく飽きないよね。せっかくのデートなんだから、たまには街に出て、ファミレスとか行けばいいのに」
「俺らは根っからの田舎者だからね。デミグラスハンバーグより、山菜の天ぷらの方が好きなんだよ」
シケた台詞に笑ってしまう。
私は思わずゆっこに尋ねた。
「じゃあ、ふたりとも、卒業してもずっとここに?」
「畑の仕事、好きだしね。ほら、うち、土地だけはたくさん持ってるでしょ? 将来はふたりで無農薬の野菜作ってネット販売しようって話してたんだよ。人気になったらリナも手伝ってよね」
冗談なのか、本気なのか。
でも何だかこのふたりなら、本当にそれを実現させそうな気がする。
「考えとくよ」とだけ返し、私はふたりの前に、ご希望の天ぷらを並べた。
「サービスだよ。私が揚げたから、味の保証はできないけど」
瞬間、ふたりの顔がぱあっと華やいだ。
「ありがとう!」と声を揃え、喜ぶふたりの顔を見ていたら、恵子さんの言う通り、将来、本当に料理関係の道に進むのもありかもしれないなと思った。
「俺らは根っからの田舎者だからね。デミグラスハンバーグより、山菜の天ぷらの方が好きなんだよ」
シケた台詞に笑ってしまう。
私は思わずゆっこに尋ねた。
「じゃあ、ふたりとも、卒業してもずっとここに?」
「畑の仕事、好きだしね。ほら、うち、土地だけはたくさん持ってるでしょ? 将来はふたりで無農薬の野菜作ってネット販売しようって話してたんだよ。人気になったらリナも手伝ってよね」
冗談なのか、本気なのか。
でも何だかこのふたりなら、本当にそれを実現させそうな気がする。
「考えとくよ」とだけ返し、私はふたりの前に、ご希望の天ぷらを並べた。
「サービスだよ。私が揚げたから、味の保証はできないけど」
瞬間、ふたりの顔がぱあっと華やいだ。
「ありがとう!」と声を揃え、喜ぶふたりの顔を見ていたら、恵子さんの言う通り、将来、本当に料理関係の道に進むのもありかもしれないなと思った。