きみと秘密を作る夜
しんしんと降る雪を眺める。
こっちの2月は凍てつくような寒さだ。
カーテンを閉めた私に、寝たきりの祖母が声を掛けたきた。
「リナちゃん。今日はどうだった?」
毎日の見舞いの度に、祖母は同じことを聞いてくる。
「楽しかったよ。クラスの男子がバカやって先生に怒られてんの見て、笑っちゃったもん」
「そうかい。よかったねぇ」
祖母は術後すぐからリハビリをしているが、痛みも伴うため、それ以外の時はあまり動きたがらなくなった。
その所為で、余計に筋力が落ちているらしい。
入院してからの祖母は、すごく老け込んでしまったように思う。
「おばあちゃんさぁ、このままいけば、今月中には退院できるって」
「そうみたいだね」
「私さ、おばあちゃんがいない間に、料理のレパートリー増えたんだよ。アイロンがけも上手くなったし。だから安心してよ」
母から頼まれたとはいえ、嫌々やっているわけじゃない。
しかし、祖母はひどく申し訳なさそうな顔をした。