きみと秘密を作る夜
学校。
お見舞い。
家事。
勉強。
そこに不安も重なって、もしかしたら私は、自分が思っている以上に疲れ、弱気になっているのかもしれない。
「ほんとにごめんね。何でもないの」
慌てて言う私に、晴人は足を止めて振り向いた。
「何を謝ってんだよ。愚痴くらい、言いたいだけ言えばいいだろ。誰だよ、お前。普段はワガママなくせに、こういう時だけしおらしくなってんじゃねぇよ」
励ましなのか、それとも悪口なのか。
わからないけど、でも考えるより先に、思わず笑ってしまった自分がいた。
ひとしきり笑ったら、少しだけ気持ちが軽くなったような気がした。
「ありがとね、晴人。今日、ここで、晴人に会えてよかった」
私の言葉に、晴人は肩をすくめて見せるだけで、何も答えず、また背を向けて歩き出した。
あの日、海辺で出会ったのが、晴人でよかった。
私は心底そう思いながら、再びその背を追い掛けた。
お見舞い。
家事。
勉強。
そこに不安も重なって、もしかしたら私は、自分が思っている以上に疲れ、弱気になっているのかもしれない。
「ほんとにごめんね。何でもないの」
慌てて言う私に、晴人は足を止めて振り向いた。
「何を謝ってんだよ。愚痴くらい、言いたいだけ言えばいいだろ。誰だよ、お前。普段はワガママなくせに、こういう時だけしおらしくなってんじゃねぇよ」
励ましなのか、それとも悪口なのか。
わからないけど、でも考えるより先に、思わず笑ってしまった自分がいた。
ひとしきり笑ったら、少しだけ気持ちが軽くなったような気がした。
「ありがとね、晴人。今日、ここで、晴人に会えてよかった」
私の言葉に、晴人は肩をすくめて見せるだけで、何も答えず、また背を向けて歩き出した。
あの日、海辺で出会ったのが、晴人でよかった。
私は心底そう思いながら、再びその背を追い掛けた。